車を購入する際に「自社ローン」という言葉を聞いたことはありませんか。

しかし、具体的にどのようなローンか詳しく知らない方も多いでしょう。

本記事では自社ローンとは何かをわかりやすく解説し、向いている人の特徴や利用者の口コミも紹介します。

自社ローンの理解を深めて、車購入の選択肢を広げましょう。

自社ローンとは？

まずは自社ローンとは何か、銀行ローンやディーラーローンとの違いも含めて解説します。

販売店が独自で提供しているローンのこと

自社ローンとは自動車販売店が独自に設定し、提供するローンのことです。

販売店が購入者と直接契約を結ぶため、銀行ローンやディーラーローンとは特徴が異なります。

一般的なローンでは信用情報が重視されるため、過去の延滞やブラックリストに登録されている場合は審査に通過するのが難しいのがデメリットです。

しかし自社ローンは販売店が独自に審査を行うため、信用情報に問題があるでも通過する可能性はあります。

また、購入者の現在の返済能力を重視するため、現在の収入状況を証明できれば過去の信用情報に関わらずローンを組めるケースも珍しくありません。

よって、銀行系ローンやディーラーローンに落ちてしまった人に利用される傾向です。

自社ローンには2種類ある

自社ローンは提供方法や審査の仕組みによって、以下の2つに分けられます。

①信販会社を通さずに審査する
②信販会社が仲介する

それぞれの特徴を解説します。

①信販会社を通さずに審査する

1つ目は信販会社や銀行といった第三者が間に入らず、販売店のみで審査する方法です。

いわゆる「自社割賦」と呼ばれ、販売店が車の資金を立て替えて購入者が返済していく仕組みです。

CICやJICCなどの信用情報を照会しないことがほとんどのため、過去に自己破産や債務整理中の方でも、現在安定した収入を得ている場合は審査に通る可能性があります。

②信販会社が仲介する

自社ローンには販売店が独自に提供するものだけでなく、信販会社が仲介する仕組みも存在します。

この方法は販売店と信販会社が提携しており、ローン契約を結ぶ仕組みで、金利が発生する場合があります。

完全に販売店独自の審査が行われる自社割賦方式と比べると審査基準は厳しめですが、銀行やディーラーが提供するオートローンに比べると条件は緩やかです。

さらに、完済することで信用情報が改善されるケースもあり、信用回復を目指す方に適した選択肢です。

オートローンとの違い

車を購入する際には自社ローン以外に、銀行ローンやディーラーローンも選択肢として挙げられます。

これらの特徴を解説していくため、違いを整理して自分に適したローンを選択しましょう。

銀行ローン

銀行ローンとは、銀行などの金融機関が提供するローンです。

一般的に金利は1％～4％と低く、返済期間も約84回～120回と長期で設定できるのがメリットです。

しかし、審査基準が厳しく信用情報が重要視されるため、過去に延滞歴がある方や信用スコアが低い場合は審査が通りにくくなります。

また、オートローンの手続きには1週間程度がかかることもあり、車をすぐに手に入れたい人は不便に感じるでしょう。

ディーラーローン

ディーラーローンは、ディーラーが信販会社と提携して提供するローンのことです。

オートローンほど厳しくなく、審査結果が1日～3日で出る場合もあります。

ただし、金利は4％～8％とオートローンより高めで、返済計画を立てる際には注意が必要です。

自社ローンが「やばい」「やめたほうがいい」と言われる理由

自社ローンはオートローンと比較して審査に通りやすいものの、注意点もあります。

自社ローンは「やばい」「やめたほうがいい」と言われる理由を、詳しく解説します。

金利はないが総額が高いから

自社ローンは販売店が車の購入代金を立て替えて購入者が分割で返済していく仕組みであり、基本的に金利の設定がありません。

なぜなら、自社ローンを提供する販売店の多くは貸金業者ではないため、法律により金利を取ることが禁止されているからです。

そのため「金利0％」を謳っている販売店が多いですが、車両本体価格に手数料や保証料として上乗せされているため、結果的に総支払額が高くなります。

たしかに自社ローンは審査に通りやすい、信用情報を問わないケースが多いなどのメリットはありますが、金利がないことだけで安易に契約を決めないようにすることが重要です。

契約前に総支払額を詳細に確認し、ほかのローンとも比較しながら自分にとって最適な選択をしましょう。

自社ローンの金利について詳しくはこちら

GPSを装着される場合があるから

自社ローンで車を購入すると、車両にGPSやエンジン停止装置が装着されることがあります。

なぜなら、収入が不安定な方や信用情報に不安がある方とも契約を結ぶため、未払いリスクに対応する必要があるからです。

返済が滞った際は販売店が車の位置を追跡して引き揚げたり、場合によってはエンジンを遠隔で停止させたりする措置を取ることがあります。

GPSが装着されるとプライバシーが気になるほか、取り付け費用や通信費が契約内容に含まれるため総支払額がさらに高くなります。

契約前には販売店へGPSやエンジン停止装置の有無を確認し、納得できる条件かどうかを見極めることが重要です。

一部の販売店ではGPSなしのプランを提供しているため、気になる方は事前に確認しておきましょう。

GPSなしの自社ローンについて詳しくはこちら

完済できるまで車の所有権がないから

自社ローンで車を購入した場合、基本的にローンを完済するまで車の所有権は販売店にあります。

車の名義には「使用者」と「所有者」の2つがあり、所有者は車を売却したり廃車したりする権利を持ちます。

万が一、返済が滞った場合は販売店は車を引き揚げる権利を持つため、返済が終わるまでは「車は販売店のもの」とみなされることが一般的です。

購入した車を売却したい場合でも所有者である販売店の許可が必要なため、簡単に手放せない点に注意しましょう。

自社ローンのメリットとは？向いている人の特徴を紹介！

自社ローンの注意点を紹介しましたが、メリットもあります。

自社ローンが向いている人の特徴を解説するため、利用しようか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

信用情報に不安がある人

自社ローンは、信用情報に不安がある人にとって大きな助けとなります。

一般的なオートローンでは信用情報機関が保有する情報をもとに審査が行われるため、過去に金融事故を起こしたことがある方や、信用スコアが低い方は審査に通るのが難しくなります。

しかし自社ローンは販売店が独自に審査を行うため、信用情報に問題がある場合でも柔軟に対応してもらえるでしょう。

過去の信用情報を照会しないケースも多く、購入者の現在の収入状況や返済能力を重視するため、他のローンに通らなかった人でも車を購入できる可能性があります。

家庭の事情や仕事などで車が必要な方にとって、自社ローンは重要な選択肢となるでしょう。

収入が不安定な人

パート・アルバイトやフリーランスなどの収入が不安定な人にも、自社ローンは適しているでしょう。

月ごとの収入が変動しやすい仕事の場合、銀行や信販会社のローンでは安定性が欠けているとみなされ、審査に通らないことがあります。

しかし、自社ローンでは現時点の収入証明や今後の返済見込みにもとづいて柔軟に判断されるため、非正規雇用の方や就職・転職して間もない方でも通過する可能性が高まります。

車をすぐに欲しいと思っている人

自社ローンは審査が比較的早く完了するため、車をすぐに手に入れたい人にも向いています。

通常のローンでは、申し込みから審査結果が出るまでに数日から数週間かかる場合があります。

しかし、自社ローンでは販売店が直接審査を行うため、審査のスピードが非常に早いのが特徴です。

販売店によっては、申し込みをしたその日に審査結果が出て即日納車も可能なため、急ぎで車が必要な方にも適した選択肢です。

自社ローンを支払わないとどうなる？

自社ローンの返済が遅れたり支払いが滞ったりした場合はどうなるのか、確認しておきましょう。

支払いが遅れたとき

自社ローンの支払いが遅れた場合、販売店は段階的な対応を取ることが一般的です。

支払い遅延が1日から数日程度であれば、まずは電話やメールでの催促連絡が行われ支払い予定日の調整や振り込みが求められます。

この段階では、事前に遅延の連絡をしていれば厳しい対応は避けられることがほとんどです。

もしも支払いが難しい場合は、できるだけ早く販売店に相談しましょう。

支払いができなくなったとき

自社ローンの支払いが継続して滞ると、車両の回収や法的措置に進む可能性があります。

車両にGPS追跡装置や遠隔制御装置が装備されている場合は位置を特定し、車を引き揚げたりエンジンを停止させたりするなどの措置を取ります。

この対応は車が駐車中や停止状態にあるときのみ実施されるため、安全性に問題が生じることはありません。

最悪の場合は「特別送達」として裁判所から書類が送付されて、財産の差し押さえが実施されることもあります。

支払いが困難な状況に陥った場合は、販売店に早めに相談することが重要です。

真摯に対応すれば厳しい措置を回避できる場合もあるため、速やかな行動を心がけましょう。

自社ローンを利用した人の口コミを紹介！

自社ローンの注意点やリスクを紹介しましたが、決してデメリットばかりではありません。

ここでは自社ローンを提供している会社と、実際に自社ローンを利用した方々の口コミを紹介します。

カーマッチ

引用：カーマッチ

運営会社	株式会社カーマッチ
店舗数	全国130店舗
保証人の有無	原則不要
頭金の有無	原則不要

カーマッチはローンブラックや自己破産経験者、フリーターやパートの方でも審査が可能で、支払い回数や頭金も柔軟に設定できます。

さらに審査も迅速なため、場合によっては即日納車も可能です。

掲載車両はすべて自社ローンに対応しており、審査は最短15分で完了します。

オトロン

引用：オトロン

運営会社	オトロンカーズ株式会社
店舗	全国17店舗
保証人の有無	必要
頭金の有無	原則不要（適用条件あり）

オトロンは、自社ローンを通じて審査通過率95%以上を実現する自動車販売サービスです。

信販会社を介さずに独自基準で柔軟な審査を行うため、過去の信用情報に関わらず利用が可能です。

車両品質の向上や接客研修を通じて、リピーター支持率No.1を目指しています。

スリークロス

引用：スリークロス

運営会社	株式会社スリークロス
店舗	全国に12店舗
保証人の有無	原則不要
頭金の有無	原則不要

スリークロスではオートローン・自社ローン・NEWオートローンの中から、お客様に最適なプランを提案しています。

とくにNEWオートローンは信販会社を仲介する仕組みで、完済後に信用情報の改善が期待できます。

国産全メーカーの新車をお得に購入できるプランも用意されており、新車を検討中の方にもおすすめの販売店です。

カートルズ

引用：カートルズ

運営会社	カートルズ株式会社
店舗	全国15店舗
保証人の有無	原則不要
頭金の有無	原則不要

カートルズの自社ローンは、柔軟な審査と豊富な在庫が特徴です。

完全自社審査を採用しており、オートローン審査に通らない方や信用情報に不安がある方でも利用が可能です。

創業40年の実績と自社工場による徹底した品質管理で、安心して車選びができるでしょう。

じしゃロン

引用：じしゃロン

運営会社	株式会社IDOM
店舗	全国46店舗
保証人の有無	要問い合わせ
頭金の有無	要問い合わせ

じしゃロンは、ガリバーが提供する中古車の自社ローン販売専門店舗です。

ローン審査で購入を断念した方や不安を抱える方に向け、経験豊富なスタッフが丁寧に対応します。

無料の仮審査を利用すれば、スムーズな案内が可能です。

車の購入を諦める前に、ぜひ相談してみてください。

まとめ

本記事では自社ローンとは何か、仕組みや注意点などを解説しました。

自社ローンは信販会社を通さずに自社の基準で審査するケースが多いため、信用情報や収入状況に不安がある人でも利用しやすいのがメリットです。

しかし、総支払額が高くなることや、ローン完済まで所有権が販売店に留保されるなどのデメリットもあります。

契約前には自社ローンの条件を確認し、ほかのローンとも比較して総支払額や返済計画をしっかり立てることが重要です。

自分に最適な方法を選び、無理のない範囲で車の購入を進めましょう。