自社ローンとは車を購入する際に、販売店が独自で提供するローンです。
基本的に中古車販売店が行っているため「自社ローンで新車は購入できるの？」と気になる方も多いでしょう。
本記事では自社ローンで新車は購入できるのか、またメリット・デメリットを詳しく解説します。
ローン審査を通過しやすくするコツも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
自社ローンで新車は購入できる？
結論、自社ローンでも新車を購入することは可能です。
自社ローンは中古車がメインで提供されることが多いですが、新車を取り扱う販売店も存在するからです。
ただし、自社ローンは金利が発生しない代わりに手数料が車両価格に上乗せされるため、販売価格が相場より高くなる傾向があります。
総額をよく確認して納得したうえで、契約を進めることが重要です。
自社ローンで新車を購入するメリット
自社ローンを利用して新車を購入するメリットは、以下の3つです。
それぞれわかりやすく解説します。
オートローンより審査に通過しやすい
自社ローンはオートローン（銀行系ローン・ディーラーローン）に比べて、審査通過率が高いのが大きな特徴です。
オートローンではCICやJICCなどの信用情報や収入が厳格にチェックされます。
一方で自社ローンは販売店独自の基準で審査を行うため、信用情報に傷がある方や非正規雇用で収入が安定していない方でも、柔軟に対応してもらえます。
また、基本的には信用情報の照会を行わないため、過去に延滞履歴や自己破産の経験がある方でも新車を購入できる可能性が高いでしょう。
フリーランスや個人事業主の場合でも、面談や個別相談を通じて返済能力を確認して契約に繋がるケースがあります。
審査基準が柔軟な自社ローンは、とくにオートローンの審査に通らなかった方に利用されやすく、有力な選択肢です。
納車までスピーディー
自社ローンは、納車までの手続きがスピーディーに進む点がメリットです。
銀行ローンは金融機関を介するため、審査結果が出るまでに数日から1週間程度かかることがあります。
しかし、自社ローンでは販売店が直接審査を行うため、比較的短期間で審査結果が出ます。
数時間で結果が出ることもあるため契約から納車までがスムーズに進み、急ぎで車が必要な場合にも対応しやすいのが特徴です。
なかには即日納車を実現している販売店もあり、すぐに車が欲しい方にとっては大きな利点となるでしょう。
金利が発生しない
自社ローンは金利が発生しないため、総支払額がわかりやすいのが特徴です。
自社ローンを提供する販売店は貸金業者ではないため、法律上金利を設定することができません。
ただし手数料や保証料として車両本体価格に上乗せされるため、結果的に相場より高い価格設定になっている点に注意してください。
支払額がシンプルで明確な点はメリットですが、手数料が上乗せされる仕組みを理解したうえで契約を結びましょう。
自社ローンで新車を購入するデメリット
自社ローンは審査の柔軟さや納車までのスピード感がメリットですが、以下のデメリットも存在します。
それぞれ解説します。
総額が高くなる
自社ローンを利用すると、支払総額が相場価格よりも高くなる傾向があります。
前述のとおり、自社ローンは金利が発生しない代わりに手数料や保証料が車両本体価格に上乗せされているためです。
また、販売店が返済リスクを負う性質上、車両価格が高めに設定されるケースも多く見られます。
「金利0％」と謳う販売店が多いものの、総支払額を確認すると実際には相場より割高なことがほとんどです。
契約前にはしっかりと確認し、ほかのローンとも比較することが重要です。
返済回数が少ない
自社ローンはオートローンに比べて返済回数が少なく設定されるため、月々の支払額が高くなる傾向があります。
たとえばディーラーローンでは返済回数を60回、銀行ローンでは120回まで設定できるケースもあるため、毎月の負担を軽減しやすいのが特徴です。
一方で自社ローンでは12回～36回払いが主流で、短期間での完済を求められることが多いため1回あたりの返済額が高額になります。
たとえば、車両本体価格や諸費用を含めた総額が150万円の新車の場合、60回払いでは月々の支払額は25,000円ですが、24回払いでは62,500円となり負担は大きめです。
購入前に車両総額や月々の返済額を把握し、無理のない返済計画を立てることが重要です。
また、返済条件が柔軟な販売店を選ぶことで、より安心してローンを利用できるでしょう。
購入できる車が少ない
自社ローンでは新車を購入できる販売店が少なく、選べる車種が限られる点がデメリットです。
多くの販売店が中古車や未使用車（新古車）を中心に取り扱っているため、新車であれば希望する車種や仕様が見つからない可能性があります。
自社ローンを利用する際は事前に取り扱い車種を確認し、自分のニーズに合うか検討することが大切です。
中古車と比較すると審査に通りにくい
自社ローンを利用して新車を購入する場合、中古車と比べて審査に通りにくい傾向があります。
新車は車両本体価格が高いため、販売店側の負担やリスクが増大することが主な理由です。
そのため、収入や返済能力はより厳しく審査されることが一般的です。
新車を検討する際はあらかじめ収入や返済計画を確認し、必要であれば中古車の購入も選択肢に入れることで無理のない判断ができるでしょう。
完済まで所有権は販売店になる
自社ローンで車を購入した場合、ローン完済まで所有権が販売店に留保されます。
これは自社ローンが「割賦販売」の形式を取っているためで、未払いのリスクを軽減する目的があります。
所有権留保とは物品を分割払いで販売した際に売主が買主に物を引き渡したあとも、代金が全額支払われるまでは所有権を売主が保持することです。
この仕組みにより、購入者がローンを完済するまでは車を自由に売却したり乗り換えたりすることができません。
自社ローンの返済が滞ると販売店は車を引き揚げる権利を持つため、利用者にとっては制約が大きいと感じるでしょう。
なおディーラーローンの場合も同様に、ローン返済中は所有権が販売店や信販会社に留保されるケースが一般的です。
ただし銀行ローンでは購入時に所有権が購入者に移るため、こうした制約がありません。
自社ローンを利用する際は所有権留保の条件を理解し、完済まで計画的に返済を進めることが重要です。
保証人が求められる
自社ローンを利用する際は、保証人を求められる可能性があります。
販売店が未払いのリスクを軽減するためであり、収入が安定している親族に依頼するのが一般的です。
もしも保証人を立てるのが難しい場合は保証会社を利用しますが、保証料が発生するため総支払額が増える点も考慮する必要があります。
なお、保証人を用意できない場合は審査に通らない可能性もあるため、契約前に販売店の条件を確認することが重要です。
GPSを付けられる可能性も
自社ローンを利用して車を購入する際、一部の販売店では車両にGPSが取り付けられる場合があります。
収入が不安定な人にもローンを提供するため、販売店が返済リスクを軽減するために行う措置です。
GPSが装着されると販売店は車両の現在地を追跡できるほか、返済が遅れた場合に遠隔操作でエンジンを停止させたり、車を引き揚げたりする対応を取ることがあります。
ただし、すべての販売店でGPSの装着を求められるわけではありません。
契約前にGPSが取り付けられるかどうか、また関連費用が発生するかなどの条件をしっかり確認し、納得したうえで契約を進めることが重要です。
新車購入でも自社ローンの審査に通過しやすくなるポイント
自社ローンで新車購入を実現するには、審査通過の可能性を高めるための準備がポイントです。
審査に通過するための具体的なアドバイスを解説します。
頭金を多めに用意する
頭金を多めに用意することは、新車購入時に自社ローンの審査を通過しやすくするための効果的な方法です。
頭金を多く支払うことで支払能力があると判断されるほか、販売店側に計画性や返済する意欲をアピールできます。
とくに、ほかにも借入れがある場合や年収が低い方は、頭金を用意をすることでローン審査を有利に進められるでしょう。
ただし、無理に多額の頭金を用意して日常生活に支障をきたさないよう、バランスを取ることも大切です。
無理のない範囲で頭金を準備して、安心して新車購入を進めましょう。
軽自動車も検討する
軽自動車を選択することで、新車購入時の自社ローン審査が通りやすくなることがあります。
軽自動車は普通車に比べて総返済額を抑えられるため、販売店もリスクを減らせるからです。
また、維持費や燃費の面でも購入者の負担が軽くなるため、返済できると判断される可能性もあります。
軽自動車も視野に入れることで審査通過のハードルを下げられるため、予算や収入に不安がある場合は有効な選択肢です。
保証人を立てる
保証人を立てることも、新車購入時の自社ローン審査を通過しやすくする手段のひとつです。
とくに信用情報に傷がある場合や収入が安定していない場合、保証人を立てることで販売店側に返済能力を示しやすくなります。
ただし、保証人を引き受ける側にはリスクがあり、支払いが滞ると迷惑をかけてしまいます。
保証人を依頼する際はリスクや返済計画について事前に十分に説明し、慎重に相談することが大切です。
また保証人を求めないプランがある場合は、その条件も比較検討すると良いでしょう。
自社ローンで新車を購入できる販売店
新車の取り扱いがある自社ローン販売店を、3社掲載します。
それぞれの店舗が提供するサービス内容を紹介するため、あなたに合った販売店を見つけましょう。
スリークロス
引用：スリークロス
| 運営会社 | 株式会社スリークロス |
| 店舗数 | 12店舗 |
| 保証人の有無 | 原則不要 |
| 頭金の有無 | 原則不要 |
スリークロスではオートローン・自社ローン・NEWオートローンから、お客様に適したプランを提案します。
なかでもNEWオートローンは信販会社が仲介する仕組みで、完済後は信用情報が改善するのが魅力です。
国産オールメーカーの新車をお得に購入できるプランも用意されており、新車に乗りたい方にはぴったりの販売店です。
オートチャンプ
引用：オートチャンプ
| 運営会社 | 有限会社オートチャンプ |
| 店舗数 | 1店舗 |
| 保証人の有無 | 原則不要 |
| 頭金の有無 | プランによって異なる |
オートチャンプは茨城県土浦市に拠点を置く自動車販売店で、新車・中古車の販売以外にも車検や整備などのサービスも提供しています。
他社で審査が通らなかった方や、保証人が用意できない方でも利用が可能です。
支払い回数は普通車・中古軽自動車で12回～60回、新車の軽自動車では最長84回まで選択でき、ボーナス払いや頭金の設定も相談できます。
UC-Next
引用：UC-Next
| 運営会社 | UC-NEXT |
| 店舗 | 愛知県あま市北苅二反田74-1 |
| 保証人の有無 | 要問い合わせ |
| 頭金の有無 | 原則不要 |
UC-NEXTはローンブラックや自己破産経験者、フリーターや派遣社員、主婦(夫)などの多様な背景の方にも対応しています。
支払い状況は関係がなく、他社で借り入れがある場合でも支払いに問題がないと判断されると、利用できることがほとんどです。
店舗は愛知県ですが全国に対応しているため、気になる方は公式サイトをご覧ください。
まとめ
本記事では、新車購入時にも自社ローンを利用できるのか解説しました。
新車を扱っている販売店で自社ローンを組めば、新車を購入することが可能です。
中古車販売店が提供しているのが主流ですが、新車を扱っている販売店も増えています。
自社ローンは審査が柔軟な点やスピーディーな手続きが魅力で、信用情報に不安がある方でもローンを組みやすいのがメリットです。
ただし、手数料や金利が上乗せされるため相場よりも高めで、車両にGPSが装着される可能性も考慮しましょう。
なお、審査通過率を高めるためには頭金を用意したり、保証人を立てたりするのが効果的です。
自社ローンの特徴を理解し、自分に合った販売店や支払いプランを選択して新車を購入しましょう。
