自社ローンを検討する際に「金利が高いのでは?」と不安に思ったことがある方も多いでしょう。
実際に金利0%という広告を見かけて、疑念を抱いた経験もあるかもしれません。
本記事では自社ローンの金利は実際に高いのか、その仕組みをわかりやすく解説します。
自社ローンに対する疑問を解消して安心して選択できるよう、必要な知識を身につけましょう。
自社ローンの金利は高い?
自社ローンはオートローンやディーラーローンと異なり、独自の仕組みで提供されるローンです。
「金利が高い」と言われることもありますが、実際には金利がないプランがほとんどです。
自社ローンの金利について解説します。
そもそも自社ローンとは?
自社ローンとは、車の販売店が独自に提供するローンのことです。
通常のオートローンでは銀行や信販会社が信用情報をもとに審査を行いますが、自社ローンは販売店が購入費用を立て替えて利用者が分割で返済する仕組みです。
金融機関を介さないため審査基準が柔軟で、信用情報に不安がある方でも利用しやすくなります。
たとえば、過去にクレジットカードの延滞や金融事故があった場合でも、現在の収入状況や月々の返済計画を重視して審査が行われるため、ほかのローンで断られた方でも利用できる可能性があります。
自社ローンの金利は何%?オートローンと比較!
自社ローンにネガティブなイメージを抱く人は「金利が高いのでは?」と思うかもしれません。
オートローンとも比較しながら、自社ローンの金利は何%かを解説します。
自社ローンには金利がない!
一般的に、自社ローンには金利が発生しません。
しかし安い金額で車を購入できるわけではないため、注意してください。
自社ローンに金利がかからない理由は、中古車販売店は「貸金業」の登録を行っていないことが多いからです。
貸金業を営むためには登録や一定の資産基準、資格などが必要であり、これらを満たさない販売店が金利を設定すると違法行為となります。
そのため、自社ローンでは金利0%とされる一方で、車両価格や手数料に利益を上乗せする形態が取られています。
自社ローンに金利がかからない理由を理解したうえで総支払額を事前に確認し、納得してから契約を進めることが大切です。
銀行ローンの金利相場
銀行ローンの金利相場は1%~4%程度と低めで、地方銀行やインターネット銀行ではさらに優遇されることがあります。
返済期間も7年~10年と長期に設定することも可能なため、月々の返済額を抑えつつ計画的に返済できる点が特徴です。
ただし、低金利のローンを利用するには厳しい審査基準をクリアする必要があり、収入証明書や源泉徴収票などの書類提出が求められることが一般的です。
また、審査に数日から数週間かかる場合が多いため、急いで車を購入したい方には不向きな場合もあります。
銀行ローンを検討する際は自分の収入状況や購入計画に合わせて条件を確認し、計画的に進めることが重要です。
ディーラーローンの金利相場
ディーラーローンの金利は通常4%~8%と、銀行ローンよりも高めに設定されています。
ディーラーローンとはディーラーが提携する信販会社が提供するローンで、審査時間が短い点が特徴です。
多くの場合は当日中が数日以内には審査結果が出るため、スムーズに契約を進められます。
ただし銀行ローンよりも返済期間は短めに設定されていることが多く、かつ金利も高いため、返済額は銀行ローンよりも増える可能性があります。
金利がない自社ローンはやばい?
金利0%の自社ローンは危ないと思うかもしれませんが、自社ローン自体は違法ではありません。
その理由を詳しく解説します。
自社ローン自体は違法ではない
自社ローンは中古車販売において合法的な取引方法であり、違法ではありません。
自社ローンは「割賦販売」と呼ばれる仕組みで、販売店が購入者に分割払いで車を提供する仕組みです。
一般的には金融機関や信販会社を介さずに販売店が独自に提供しているため、信用情報に不安がある方でも利用できる柔軟な購入手段として広まっています。
ただし、すべての業者が安心できるかどうかは別問題であり悪徳業者が存在する可能性もあるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
自社ローンの利用自体は違法ではないものの、業者選びは慎重に行い安全な契約を心がけましょう。
金利がない代わりに総支払額に上乗せされている
自社ローンには金利が設定されていませんが、その代わりに手数料や保証料が車両価格に上乗せされていることがほとんどです。
そのため総支払額が高くなり、実質的には金利相当分を支払っていることになります。
手数料や保証料は車両本体価格の10%~20%程度加算されている場合もあるため、オートローンと比較すると割高になる傾向です。
また手数料として明示するのではなく、あらかじめ車両本体価格に含まれているケースもあるため、相場と比較して適切かどうか確認しておきましょう。
自社ローンが向いている人
自社ローンはオートローンと比較して総支払額は高くなるものの、メリットもあります。
自社ローンの利用が向いている人の特徴とともに解説します。
信用情報に不安がある人
自社ローンは、信用情報に不安がある人にとって利用しやすい選択肢です。
一般的な銀行系やディーラーローンでは信用情報が審査の重要な基準となり、過去の借入状況や滞納履歴があると審査に通らない場合があります。
しかし自社ローンでは信用情報が審査対象とならないことが多く、販売店が独自の基準で現在の収入状況や返済能力を重視して審査を行うのが特徴です。
そのため、過去に金融事故があった・非正規雇用・勤続年数が短いなどの場合でも、安定した収入を証明できれば自社ローンで車を購入できる可能性があります。
信用情報に不安がある人にとって、自社ローンは柔軟な審査基準を持つ有力な選択肢です。
ただし、契約前には総支払額や返済条件をしっかり確認し、無理のない計画を立てることが大切です。
車以外にも借り入れがある人
自社ローンは、他社での借入がある人にも利用しやすい選択肢です。
一般的なローンは「総量規制」によって年収の3分の1を超える借入が制限されるため、追加でローンを組むのが難しくなります。
しかし、自社ローンは総量規制の対象外のため、返済能力が認められると借入があっても利用できる可能性があります。
借り入れがあるものの、車を欲しい方にはメリットです。
早く車を欲しい人
自社ローンは、短期間で車を手に入れたい人にも適した選択肢です。
自社ローンの大きな魅力は、申し込みから納車までのスピード感にあります。
銀行ローンやディーラーローンと比べて審査が迅速に行われるため、販売店によっては即日納車をしてもらえることもあります。
急ぎで車が必要になった際や、手続きに時間をかけたくない場合に有効です。
ただし、スピードだけで判断するのではなく支払総額や条件を事前に確認し、納得したうえで利用することが重要です。
自社ローンに申し込む際の注意点
自社ローンに申し込む際の注意点は、下記のとおりです。
それぞれ解説していくので、納得して自社ローンを選ぶためにも契約前にチェックすべきポイントをしっかり押さえておきましょう。
適用外の車もある
自社ローンは利用できる車種や条件が限られており、希望する車を購入できない可能性があります。
また、限度額が低く設定されているため、高額な車や特定の車種は選べない場合もあるでしょう。
さらに、自社ローンを利用できる店舗自体が限られているため、購入可能な車の選択肢が狭まることも少なくありません。
自社ローンを利用する際は希望する車を購入できるか事前に確認し、店舗ごとに提供される条件をしっかり比較することが大切です。
新車は数が限られている
自社ローンは基本的に中古車販売店で提供されるため、購入できる車の多くが中古車となります。
よって新車を取り扱う販売店は少なく、選べる車種も限定される点がデメリットです。
また、中古車は新車に比べて燃費や安全性能が劣る場合があり、整備状況によっては購入後に故障などの問題が発生する可能性もあります。
自社ローンは手軽さが魅力ですが購入可能な車の範囲が狭まる点を踏まえ、必要に応じてほかのローンも検討してみましょう。
返済回数が少なめに設定されている
自社ローンでは基本的に支払回数が12回~36回と短期間に設定されるため、月々の支払額が高額になる傾向があります。
銀行ローンやディーラーローンでは60回以上の分割払いが可能な場合もありますが、自社ローンでは半分以下の回数で完済を求められることが一般的です。
返済期間が短い理由は販売店が未払いリスクを抑えるためですが、購入者にとっては毎月の返済負担が重くなりやすいというデメリットがあります。
たとえば、150万円の車を銀行ローンで5年(60回)返済する場合、月々の支払いは25,000円程度です。(金利を考慮せず)
しかし、自社ローンで2年(24回)返済とした場合の月々の支払い額は62,500円となり、負担が大幅に増えます。
自社ローンを利用する際は、短期間での返済に無理がないかを慎重に検討することが重要です。
分割回数の交渉が可能な販売店を選んだり、購入する車両価格を抑えることで月々の負担を軽減する工夫をしましょう。
保証人が必要
自社ローンを利用する際には、保証人を求められる場合が多くあります。
自社ローンは審査基準が柔軟で信用情報に不安がある方でも利用しやすいのが特徴ですが、販売店側は未払いのリスクを抱えることになります。
そのリスクを軽減するために、保証人を求める販売店も少なくありません。
もしも保証人を立てられない場合は頭金を多めに用意することを求められたり、審査基準が厳しくなったりする場合もあります。
事前に条件を確認し、無理のない返済計画を立てたうえで契約を進めることが重要です。
車にGPSを装着される場合がある
自社ローンを利用すると、車両にGPSが装着される可能性があります。
販売店が返済リスクを軽減するための措置であり、支払いが滞った際は車両の位置を特定したり、遠隔操作でエンジンを停止したりする目的があります。
この仕組みは販売店側のリスク管理に有効ですが、利用者にとってはプライバシーへの懸念が生じるほか、GPSの装着費用や通信費が総支払額に上乗せされるため注意が必要です。
自社ローンに申し込む際に確認すべきこと
自社ローンに申し込む際は、以下の点を確認しておきましょう。
理由も含めて、それぞれ解説します。
初期費用はいくらか
自社ローンで車を購入する際には、頭金や登録手数料なども含めた初期費用がどれくらい必要かを事前に確認することが重要です。
車両本体価格以外にも、頭金や自賠責保険料などの諸費用がかかります。
これらの費用は一般的に契約時に支払う必要がありますが、販売店によっては諸費用を分割払いに含める場合もあります。
自社ローンでの購入を検討する際は初期費用も考慮してどれくらい必要か、総額を把握して無理のない返済計画を立てましょう。
車両本体価格が相場とかけ離れていないか
自社ローンを利用する際は中古車販売店で提示されている車両本体価格と比較して、適正かどうかを確認することが重要です。
前述のとおり、金利が発生しない代わりに手数料や利益が車両価格に上乗せしているものの、あまりにもかけ離れている販売店は避けたほうが無難です。
ただし相場よりも低い価格が提示されている場合も、注意しなければいけません。
車両本体価格が安すぎる場合はそのほか費用が高額に設定されていたり、車の状態に問題があったりする可能性があります。
適正価格であるかどうかを見極めることで、無駄な支出の抑制に繋がるでしょう。
保証が付いているか
自社ローンで購入する車に、保証が付いているかどうかを確認しましょう。
保証内容は販売店ごとに異なり、とくに中古車では販売店独自の保証が適用されることが多くなります。
保証がない場合は故障時の修理費用が自己負担になり、予期せぬ出費が発生するリスクがあります。
また、保証が付いていても適用範囲や期間に制限が付いている場合あるため、詳細を確認することが大切です。
購入後も安心して車を利用できるよう、金額だけでなく保証内容までしっかりと把握しておきましょう。
まとめ
自社ローンは金利が発生しない仕組みですが総支払額に手数料や保証料が上乗せされるため、最終的なコストは高くなる傾向があります。
そのため「金利0%」といっても、総額では銀行や信販会社のローンより高くなることを理解しておきましょう。
また、自社ローンは保証人の用意や返済期間が短い場合もあるため、契約前には総支払額や返済条件をしっかり確認することが重要です。